旅の手帖 2021年2月号より 旅の手帖の一部を引用しています。ぜひ本書を手に取って実際に現地を訪れてみてはいかがでしょうか。きっと素敵な旅が送れそうですね。
復元が進む 加賀百万石のシンボル 金沢城公園
前田利家が天正11年(1583年)に入城して以来、加賀藩前田家が14代にわたり居住とした金沢城。石川門や三十間長屋といった藩政期の遺構をはじめ、木造軸組工法で復元された菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓、橋爪門など見どころが多いです。
実際筆者も訪れました。復元された金沢城は見ごたえあり!昼間はボランティアの方々に案内して頂き、さらなる金沢城の魅力を発見させてもらいました。
ライトアップされた夜間もおすすめ♪加賀城主と同じ月を見たであろう月明かりとともに決行する金沢城散策は、思い出深いです。
門構えも金沢城ならでは!これで無料で見学できるのだから訪れないわけにはいかないですよね。
色彩豊かで独創的な石垣群 玉泉院丸庭園
前田利常が作庭を始め、明治時代に埋め立てられた池泉回遊式庭園を2015年に再現。高低差を生かした立体的な造りで、戸室石を組んだ色紙短冊積石垣をはじめ、意匠性の高い石垣群を景観に取り込んでいます。
こじんまりとしていますが、均整の取れた美しさで人々を魅了します。昼間も風情があった良いのですが、夜はライトアップされ、一際煌びやかです。ナイトショー的な演出で雅な和楽×ライトショー×庭園で見逃せないですよ。
百万石の礎を築いた藩祖を祀る 尾山神社
明治8年(1875年)築の神門の屋根には、日本現存最古の避雷針を設置。境内に広がる神苑は江戸時代後期に作られた池泉回遊式庭園で、島や橋などが楽にちなんだ名が付けられていることから楽器の庭とも呼ばれています。
和洋折衷のステンドグラスが設えられた神門が美しいです。特に夜はライトアップされた景観に魅了され、いつまでも眺めていたい気持ちにさせられます。
歴代藩主が築き上げた大名庭園 兼六園
5代藩主・前田綱紀が造園に着手し、完成まで約180年の歳月が費やされました。起伏に富んだ園内に池や曲水、築山などを配し、植栽された多彩な樹木が季節ごとに豊かな表情を見せてくれます。国の特別名勝で日本三名園の一つ。
優美で華やかな前田家の奥方御殿 成巽閣
文久3年(1863年)、13代藩主・前田成泰が母の真龍院のために建てた御殿。極彩色の欄間から見事な謁見の間、色鮮やかな群青の間など趣向を凝らした造りが見もの。人形などの所蔵品を季節ごとのテーマに合わせて展示。
幽玄の美に彩られた能楽の世界 金沢能樂美術館
加賀藩主の歴代藩主が能楽を愛好したことから、今も金沢では宝生流(加賀宝生)が盛ん。館内1階では能舞台の構造や能面の製作工程が、2階では加賀宝生に伝わる貴重な能面や煌びやかな能装束などが展示されています。
前田家に生涯を捧げた珠姫の寺 天徳院
珠姫は徳川2代将軍・秀忠の次女。加賀藩主・前田利常に嫁ぎ、24歳で亡くなるまで両家の融和に尽くされました。その菩提を弔うため、元和9年(1623年)に建立されたのがこの寺で、みずみずしい黙照禅庭など見どころが多いですよ。
加賀藩の歴史を伝える貴重な史料を収蔵 加賀本多博物館
藩の家老・本多家に伝わる武具や古文書など約1000点を収蔵。初代・本多政重が関ヶ原の戦いで着用した甲冑や10万石への加増を辞退した際に前田家から拝領した村雨の壺など、それぞれに秘めたエピソードが興味深いですね。
美しい空間を回遊し思索にふける 鈴木大拙館
鈴木大拙は金沢出身の仏教哲学者。世界的建築家の谷口吉生が設計した建物は、各3つの棟と庭で構成され、展示や解説を最小限にとどめて来館者自ら思索できる場に。五感を研ぎ澄まし、大拙の世界観にふれてみてはいかがでしょうか。
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